季節句の代表
「自然の清々しい光景」
2023年8月20日
一年を通し、雲頂菴から望む富士山の姿は実に様々で、季節の移り変わりを教えてくれます。
毎年、梅雨明け時は、まさに「雲収山岳青」(くもおさまりて さんがくあおし)です。
読んで字のごとく、わかりやすい漢語であろうと思いますが、
雲が消え去り、青々とした山が見えてきた。
「さあ、雨があがった。山々がなんてきれいに見えることだ」
「空が晴れ、気持ちのよい季節がやってきた」といった感じでしょうか。
自然の移ろう美しさとともに、清々しい空気まで運んでくるかのようです。
またこの句では、山を「仏性」に、雲を「煩悩」になぞらえ、
迷いが晴れて、自分本来の姿が見えてくる。悟りの境地をあらわすといった解釈もされています。
ですが、私はそれ以前に、この句の明快な自然描写や情緒を味わってほしいと思います。
※出典『瑯琊山覚和尚語録(ろうやさんかくおしょうごろく)』
「住職だより」に戻る